喫茶マンスペース

今日も特になにも起きず。だがそれで良い

日差しが直撃しているが、眼球の下までしか照らされておらず、まぶしくはないので、そのままやり過ごす。

なにぶん気にしすぎる性格である。「自分さえ我慢すれば」と思い、少しだけ頑張ってその場をしのぐことが多い。

 

例えば、夕暮れ電車に乗っているとき。突き刺すような日差しが、こちらに直撃して来るときがある。普通であれば、日除けカーテンのようなものを下ろして日差しを遮るだろう。しかし私は、「あの人まぶしかったんだ」と思われるのが嫌なのだ。出来るだけ目立たない方法で日差しを回避したい。

 

そして私は、この問題を最小限のアクションで回避する方法を会得している。それは、背筋をピンっと伸ばして座ることだ。そうすることで、眼球のすぐ下までにしか日差しが当たらず、ギリギリまぶしさを回避できることを経験的に知っている。やたら背筋の良い成人男性の眼球から下が、美しい夕日で金色に輝きつつも、素知らぬ顔で着席している状態。はたから見たら違和感があるかもしれない。しかしながら、私としてはまぶしくないからセーフなのである。

 

もちろん、背筋を伸ばすことが辛いのは言うまでもない。

 

他にも、タクシーの後部座席に3人で乗り、自分が真ん中になってしまった場合。いつも通りの座り方だと、両サイドの人に足が当たり気まずくなる。そのため、股をギュッとしめる。そして、タクシーの右折左折に合わせ、股の筋肉を微調整する。ちょうどマッチョの人が左右の胸筋を上下に運動させるのと同じようにだ。マッチョ諸君に分かりやすく説明するならこんな感じだろう。

 

そして私はまるで、自分がバランスを崩したら、車内の秩序も一緒に崩れるかのような、そんな緊張感を持ちながら、股という股に意識を集中させ、やり過ごす。

 

しばしば、自分には気が置ける人がいないのではないかと不安になる。

 

これもある、ゲップだ。自宅にてフリーでゲップをする分には全く問題ない。大いに放ちたい。しかし、周りに人がいると状況は一変する。ゲップの社会不適合性は、もはや語るまでもないだろう。そんなゲップが、周囲に人がいる状況で出てしまった場合。私は、出たゲップをひとまず口の中でキープするという手法を取り入れている。汚くて申し訳ない。申し訳ないついでに、科学的利点も一切ない。ただ、唾液が口臭を抑えるのに一役買っているという情報を頼りに、「ついでにゲップもお願いします」という祈りを込めての行動だ。

 

そして、これまた何の根拠もないが、「ゲップは、口より鼻から空気を出したほうが臭いが少なそう」という理由で、最後はゆっくり鼻から放出するようにしている。なんであろうか。自分のことが、細かいことは気にするくせに、エチケットはない奴に思えてきた。

 

しかしながら、私以外でも、細かい気になる方は多いように思われる。

 

1日に同じコンビニに2回も3回も行くことがある。そんな時は絶対に同じ店員さんに当たりたくない。職場でさっき挨拶したばかりなのに、また同じ上司とすれ違う時の「お疲れ様です」の加減が難しい。スマホの画面が割れてしまったものの「慣れれば意外と気にならないな」と思っていたが、いざ人に見せるときは恥ずかしい。

 

気にし始めたら、きりがない。