喫茶マンスペース

今日も特になにも起きず。だがそれで良い

ユーチューバー予備軍の苦悩を見た

もうすでに1杯目のアイスコーヒーを飲み終わり、次は何を飲もうか思案している。相変わらずの猛暑のため、「自宅ではやる気がでない」と思い、今日もまた喫茶店に来ているわけだ。

 

しかしながら、「やる気がでない」と言っても、「何かやろう」と意気込んで喫茶店に来たわけではない。現に、入店からしてアイスコーヒーを飲み終わる今まで、スマホでユーチューブを見ていただけである。入店直後にもらった使い捨ての”おしぼり”も、すでに乾ききっている。むしろ家にいたほうが色々出来たのではないか、と思い始めているありさまだ。

 

茶店で一人で過ごす時間というのは、なぜにこうも高貴でありながら虚ろなのだろうと思いをはせている。今日も貴重な時間を生産的に使えず終わりそうだ。

 

そして、こんな私を置き去りにして、生産的な時間を過ごしているのが、今私の隣に座っている男性2人である。どうやらこの2人は、ユーチューブを始めようとしているようだ。

 

話を聞くに、内容はゲーム実況。ゲーム実況をユーチューブで配信しようとしている。しかしながら、ユーチューブ活動を開始するにあたり、機材設定など諸々がうまくいっていない模様。

 

私が喫茶店に入店し、アイスコーヒーを飲み干し、おしぼりは完全に乾ききった。この間、彼らは苦悩している。機材の不足、音声の遅延、活動に関わる人々の人間関係。数多の障壁が、彼らを苦しめる。

 

まさかここまで上手くいかないとは思わなかった。俺はただゲーム実況をしたいだけだ。それだけなのに、なんでこんなにも知識が、時間が、人が、お金が足りないんだ。今ゲーム実況をしている人間たちは、本当にこれら全てをクリアしているのだろうか。とても信じられない。何か、なにか良い方法があるはずだ。自分たちが知らない方法が、抜け道が。

 

あふれる野望、希望の未来、現状の打破。ゲーム実況がすべてを解決してくれるはずである。それは間違いない。にもかかわらず、そのスタート地点にすら立てない自分たち。

 

彼らの顔を見てほしい。とても虚ろな目をしている。この目は私が喫茶店で過ごすときの虚ろさとは、似て非なるものである。しかし、私は彼らを卑下するつもりは、まったくない。むしろ私自身、ブログというひとつの発信活動を行っている人間として、シンパシーを感じている。

 

それに、私自身このような苦悩のすえ、自分でも無理なく出来ることとして、ブログをやっている。気持ちはよく理解できる。

 

彼らは言う。「音声が遅延すると、ツッコミが上手くいかないのでは?」。その通りかもしれない。だが、そのこだわりが配信活動のスタートを遅らせていることも、また事実である。

 

彼らは言う。「やっぱり新しいパソコンを買わないとダメか?」。その通りかもしれない。だが、そのこだわりが配信活動のスタートを遅らせる。

 

まずは出来る範囲で、出来ることからやってみてはどうだろうか。無理は禁物である。

 

しかしながら、「ユーチューブはクオリティが大切」と聞いたことがある。なので、私のブログのように手抜きではいけない。そうである、私のような一般人が「喫茶店で最初にアイスコーヒーを飲んだ」という情報など、誰も興味がない。私のような一般人が「喫茶店にて高貴で虚ろな時間」を過ごしていることなど、誰も興味がない。

 

では、なぜ私は「誰も興味がない」と分かっている情報を書いているのか。それはとても単純な理由である。それは、この記事の前半に「誰も興味がない情報」を書いてしまったことに、”今気づいた”からである。まさに今、気づいたのだ。

 

ここまで文章を書いておいて、いまさら前半部分を削除するなど、”普通”は嫌だろう。その”普通”に純粋に従っているだけである。まさに私は「普通の人間」だ。

 

 

ぜひとも彼らには、私のような「普通の人間」こと、雑踏にまみれる一般人を楽しませるゲーム配信をしていただきたい。