喫茶マンスペース

今日も特になにも起きず。だがそれで良い

「炎上覚悟で言います…」と前置きされて当たり障りのない内容であった時、それでもなお、この前置きは正しい。

誰しも、注目されたいという欲求は多少なりとも持ち合わせているだろう。それに加え、誰しも、他人の不幸話やスキャンダラスなトピックには強力な力で引き寄せらせる。

 

そして、これらのような我々の特性を逆手にとった手法がある。それが、タイトルにもある「炎上覚悟で言います…」という前置きである。

 

冒頭にこの文言を置くことで、「これからリスキーでスリリングなことを言います」と表明しているというわけだ。これはついつい見てしまう。政治を切るのだろうか、昨今の芸能事情にメスを入れるのだろうか、と想像を膨らませながら、私たちは文章を目で追うことになる。

 

投稿者が放った持論が偏りのある内容であった場合は、炎上する余地があるように思われる。これに合致するならば、「炎上覚悟」の前置きは正しいだろう。

 

しかしながら、これに該当していない場合。つまり「当たり障りのない内容」であっても、この前置きは正しいような気がしている。

 

まず、「当たり障りのない内容」とは何か、という話からしよう。それは、どこにでもいる一般人のありふれた日常である。「これを食べた」、「カフェに行った」、「今度旅行に行くので、今日はその準備!」などであろう。

 

物は試しだ、これらのような内容の冒頭に「炎上覚悟」の文言を追加してみよう。

 

以下になる。

 

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炎上覚悟ぉ……(*ノωノ)

 

親友とこの前行ったカフェ!どぉ?このホットケーキおいしそうでしょ?

「パンケーキじゃなくてホットケーキ食べに来ちゃう感じがウチらだよねぇ。爆笑」とか言ってさぁ。盛り付け映えすぎて、インスタ炎上しちゃうんじゃね?とか言ってずっと笑ってたわ

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これが当たり障りのない内容、かつ閲覧者の導火線に怒りの炎を着火させる内容である。「炎上覚悟」の前置きから、普通のことを発言する人間は、往々にしてこのようなテンションを持ち合わせている。

 

冷静に対処したいところである。

 

そして、もしも炎上覚悟からの当たり障りのない文章を意図的に行っているとしたら、自分を客観視する能力にたけていると言えるだろう。

 

 

エンタメって奥が深い。