セクシーインスタグラマーにクレームがある
眼光鋭く、インスタにならぶセクシー美女を拝見していた。いつ何時においてもセクシーとは正義であると、がってん承知する今日この頃だ。そして、いかなる状況でもセクシーを絶やさない彼女たちには、畏敬の念すら覚える。
人間は生まれながらにして、ある程度容姿が決まっているが、彼女たちは各々の持つ個性を、ありとあらゆる手段でセクシーに変換してくる。「まさか、こんなものにまでセクシーを感じるとは……」と、セクシーのバリエーションに驚くばかりだ。
そんなセクシーインスタグラマーこと、セクシー研究家の彼女たちを、私は日々追いかけてしまっている。いや、追いかけること自体は、同じくセクシー研究家である私のような男としては、仕方がないことかもしれない。しかし、最近どうやらこの活動ゆえに弊害が出ていることに気づいた。
インスタグラムを少しでもやったことがある方ならば、虫眼鏡のマークを押すと、検索欄とともに写真が画面いっぱいに出てくることをご存じだろう。調べてみると、この写真には、自分が”検索”や”いいね”した内容をもとに導き出されたオススメ写真が掲載されるらしい。
そして今の私は、この画面がセクシー美女で溢れかえっている。どれだけ画面をスクロールしても、高頻度かつ一定間隔でセクシー美女が登場するパラダイス状態になっている。セクシーを全身で浴びるにはもってこいの環境だ。セクシーが不足していれば、インスタを開き虫眼鏡マークを押すと、迅速にセクシーを補充できる。
しかし先日、ふと気づいてしまった。
万が一他人に見られたら、日々インスタを使って行っている当該活動がバレてしまうではないか。電車内でチラ見されるくらいならまだ良い。しかし、もし会社の同僚や後輩などの横で携帯を触っている拍子に見られてしまったら……と考えると、とても恥ずかしい。セクシーに飢えていることがバレる。
社会的地位を守るため、これは先手を打っておかなければならない。
そして、ここで取るべき対策は、画面を埋め尽くすセクシー美女を何か他のものに置き換えることだと考えた。これまでの経験を活かすならば、他のものを検索しまくれば良いということが分かる。
そこで私が考えた、セクシー美女に代わる”他のもの”。
それが「動物」だ。特にインスタに投稿される犬や猫は、基本的に女子からの好感度が高い。動物で画面を埋め尽くせば、チラ見されたときに、口には出さないまでも「動物が好きな優しい人」と認知はされるだろう。
しかしながら、有言実行すべく犬や猫を中心に検索をスタートさせたものの、いまだに反映されていないのが現状だ。セクシー美女の中毒性というべきか呪縛というべきか、はたまたインスタのバカ野郎というべきか。
しかし冷静に考えるとインスタは優秀だ。なぜなら、私はセクシー美女を追いかけているのがバレたくないだけで、セクシー美女のことはいまだに好きだ。「抜本的な改善が見られなければ、セクシー美女を動物には置き換えられない」という思考でインスタのアルゴリズムが働いているならば、実に正しい。というか、インスタ側に伝わるほど、あふれ出している私の欲求をどうにかしてほしい。
どうやらインスタを凌駕するには、まだまだ道のりが長いようだ。これからも美女からのセクシーな誘惑に耐える日々が続くだろうが、精進していこうと思う。
そして今回、犬や猫を中心にいろいろな動物を見て回ってみたが、またひとつ気づいたことがある。
ペットと映ってる人、だいたい美人。