トイレの個室で親切心をこじらせていた
基本的には下ネタを書きたくない。なぜなら、後々見たときに恥ずかしくなるから。ましてや下ネタでスベったとなると、自分を励ます術が思いつかない。ただ、いざ自分の記事を振り返ると、下ネタ関係なしに恥ずべき内容が多いように思われる。
これは間違っても下ネタに走ってはいけないと、そう思うばかりだ。素直に皆様のお役に立つような情報を発信していこうと、そう思う。
これからも地道に頑張るので、ぜひともよろしくお願いしたい。
というわけで、今日も会社で盛大に大便をしていた。ランチを食べた直後のことだ。外は晴れ晴れとしており、吹く風が心地よさを後押ししていた。
もう一度言わせてほしいが、基本的には下ネタを書きたくない。これは本心である。ただもうひとつ言わせてほしい。
とても快便だった。
持ち前の便通ですみやかに用をたし、個室から出ようとしたとき。誰かがトイレに入ってきた。私は、その人がトイレに入ってくる時にしていた咳払いで、それが上司であることが分かった。なお、こちらはまだ扉を開けていないので、相手は誰が個室に入っているか分かっていない。
「●●部長か……」と思っていると、その部長が盛大に”えずき”出した。吐いてはいないが、オェオェ言っている。
「これは出れない」、そう思った。まず、どう顔を合わせれば良いか分からない。今ここで出て行って、「部長、えずいてましたね」感を微塵も出さないように振舞うか。それとも「だ、大丈夫ですか…?(真顔)」的な感じにちょっと心配することで「誰にも言いませんよ」感を演出すれば良いのか。正解が分からない。こちらも”えずく”パターンを考えたが、向こうは上司だ。加えてこちらは個室に入っている。個室でえずく=嘔吐という公式が成り立ち、上司の権力で早退させられるかもしれない。それは不本意だ。
何よりもここで出て行ったら、上司に恥ずかしい思いをさせてしまうかもしれない。それが心配だった。いや、恥ずかしいくらいで済むならまだ良い。「俺が”えずいた”ことで、我が部下に不要な気遣いをさせてしまったのでは…」と思わせてしまう可能性もある。「今ので嫌われちゃったかな…」と思わせるのもよろしくない。
“静観”を決意した私は個室内で必要以上に息をひそめ、やがて上司は出て行った。
私の記憶では、小中高校までは、学校で大便をするのは恥ずかしいことと認知されていた。つまり、上記のように”個室に入っていない人間”が”個室に入っている人間”に醜態をさらすという概念は存在していなかったと思う。
しかし、大人になると両者の立場は対等になる。いや、”大人の視点では対等な立場”と言ったほうが良いかもしれない。
つまり、”個室に入っている少年”と”それをからかう学生たち”。大人からすれば、からかう側の人間に羞恥心を感じてしまう。
大人たちは彼らに、「からかうのはやめなさい」と言うだろう。しかしそれは、個室に入っている少年への哀れみだけでなく、無意識のうちに、からかう少年たちの醜態に向けられているのかもしれない。
どうにか、下ネタからの軌道修正ができただろうか。