喫茶マンスペース

今日も特になにも起きず。だがそれで良い

缶ビールの取り扱いマニュアルに異論がある

仕事帰りにスーパーへ立ち寄り缶ビールを買うという、サラリーマンの黄金ルーティーンを継続している。ブログを毎日書くとなると、眉間にシワを寄せるが、毎日缶ビールを買うことを躊躇した経験は一度もない。

 

スーパーに入ってから品物をカゴに入れ、レジに向かうまでの計算しつくされた動線。この動線たるや、全国のサラリーマン男性を唸らせるほどに、無駄がなく、流儀を感じさせるほどに洗練されたものだろう。我ながらパーフェクトルーティーンである。

 

しかしそんな一連の流れの中に、一か所だけ腑に落ちないことがある。

 

レジでの会計後、店員さんが、缶ビールを立ててカゴに入れるのだ。これは非常に危険な行為だ。ご存じの通りビールは炭酸飲料である。炭酸飲料の王様こと、ビールが仮に倒れてしまったら。そう、その衝撃により、開けたとき余計に炭酸が抜けてしまう。

 

缶ビールの転倒を絶対に阻止したい私は、絶望的なバランス感覚をフルに駆使して、足元がおぼつかないままカゴを運ぶ。

 

この「缶ビールを立ててカゴに入れる」方法は、特定のスーパーに限られていない。つまり、スーパー業界では、それが良いこととなっている。当然、「良い」というのは、お客さんにとって良いということだろう。では、缶ビールの美味しさを害するリスクを大きくしてまでも、追い求めるその良さとは何なのか。

 

おそらく最も大きな理由は、開缶部分(口を付けるところ)をカゴに触れさせないためだろう。衛生的な観点からそのような判断に至ったと言えよう。実に合理的だと思う。お客さんへ不快感を与えないように配慮された、マニュアル化するにふさわしい内容だと思う。

 

しかしながら、このマニュアルに異論がある。

 

というのも、そもそも私が缶ビールをレジに持っていくとき。缶ビールは寝かせてカゴに入れている。できるだけ衝撃を与えないためだ。カゴに寝かせ、カゴの角まで転がした状態をキープしながらレジに持っていく。これまた実に合理的だと思う。缶ビール様への衝撃を与えないように配慮された、マニュアル化するにふさわしい内容だと思う。

 

このような合理性のぶつかり合いは、特に接客においては良く起きるように思われる。

 

マニュアルは経験に基づいて作られる。つまり「カゴに缶を寝かせて入れるのは衛生的じゃない」という意見が複数発生し、出来るだけお客さんからの意見を低減するために、このマニュアルが作られたと予想できる。すべては、多くのお客さんに気持ちよく買い物をしてもらうためだ。

 

そして今まさに私は、そのマニュアルに異論を唱えている。

 

それの意味するところは、私が少数派の人間であるということだ。仮に、マニュアルがそのスーパーの状況を十分に考慮出来ていたものとする。ならば、それに対し反発することは、少なくともそのスーパーを利用している大勢から反感を買うことになる。

 

つまり、マニュアルに対し「そんなのはおかしい」と声高に主張したところで、周囲の目は冷たいのである。

 

というわけで、私が今やるべきことは、ひとつ。

 

 

バランス感覚を鍛えることだろう。