喫茶マンスペース

今日も特になにも起きず。だがそれで良い

連休につぶされる

やることが、特にない。

それが連休となれば尚更のことだ。


そうすると何か新しい事を始めたくなるのが、人間の摂理ではなかろうか。


あれやこれやと考え、普段ろくに読みもしない小説を書いてみたいと思い至る。


まずはネットで書き方を検索し、小説を書く手順を探ってみる。なるほど、よく分かった。


今度はより高みを目指し、書籍はないかと探る。中々面白そうな、つまり、これさえ読めば、なんとなく小説を書けるようになりそうな書籍に目星をつける。


いざ本屋へ。


目当ての書籍をパラパラめくる。なるほど。
次の本にも目を通す。なるほどね。


それから3冊、4冊と目星をつけていた書籍を眺めるうちに、想定外の事態が起きる。


"けっこういい値段するじゃねぇか…"


あれほど意気込んで、万全な下調べのもと本屋に来ている。値段もおおむね把握していた。


なのに、だ。


いざ本屋で手に取り、内容を見てからの、この値段。高い…。


内容と値段が一致していない気がしてならない。あんなに書きたいと思っていた小説、この有り余る時間を、人生を投資しようと意気込んでいた小説。それが今では、関連本を買うお金すら勿体ない。


というか、1年に何度もないこの貴重な連休を、なぜ小説に費やさなければならないのか。小説を書いたところで、なんの役に立つのであろうか。
そもそも小説なんてものは、小説家が書くものだ。


こんな思いすらよぎってくる。


結局、何も買わずに帰路に着く。

 


こうして考えると、今自分がやり続けていることを始めたキッカケは、なんであったのかをまったく思い出せない。


暇を持て余した末にたどり着いたものか。ある時、燃え上がるように意気込んで始めたのか。


ちょっとしたキッカケはあっただろうが、決して衝撃的な事は起きていない。


"なんとなく目に入ったから"が腑に落ちるところかも知れない。その割にやめる時の覚悟が必要と感じているのは、それはそれで良い傾向だろう。


小説はあきらめた。